心大血管疾患リハビリテーションの
量や質による急性心筋梗塞患者の
予後改善効果を検証し、心リハの未来を創っていく
JROAD for Cardiac Rehabilitation
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本邦心大血管リハビリテーションの問題点の抽出と対策の検討
2023年03月31日まで
日本循環器学会が毎年循環器専門研修施設・研修関連施設を対象に実施している「循環器疾患診療実態調査 (JROAD)」で、 2014年1月1日~12月31日までに急性心筋梗塞で入院した患者
急性心筋梗塞では、急性期の早期治療として再灌流療法の有効性エビデンスは確立し、本邦でも広く普及しています。心大血管疾患リハビリテーション(以下、心リハ)は、急性心筋梗塞患者の予後を改善するとされていますが、再灌流療法の進歩に伴い入院期間は大幅に短縮しています。 また、脳卒中と循環器病克服第二次5か年計画が発表され、その中でも急性期からのリハビリテーションの重要性が強調されています。 現在の状況での急性心筋梗塞患者における心リハの予後改善効果を再評価し、問題点を抽出後、 その対策を検討し更なる普及に努める必要があります。今回、大規模なDPC(包括医療支払制度)データと別途実施する心リハ学会研究グループによる予後を含む調査データを合わせることにより、心リハの量や質による急性心筋梗塞患者の予後改善効果を確認するとともに、保険診療における妥当性などに関する問題点(費用対効果など)を抽出し、それらを検証することを目的とした後ろ向きレジストリ研究を実施します。
1. 2014年1年間に日本循環器学会が毎年循環器専門研修施設・研修関連施設を対象に実施している「循環器疾患診療実態調査(JROAD)」で収集された急性心筋梗塞患者(約5000例)を抽出します。 抽出条件は、2019年度心リハ学会認定研修施設の39施設と、年間50件以上の急性心筋梗塞が入院している施設から無作為に抽出します。また、集まった症例数が5000例に満たない場合は、目標に達するまで無作為抽出を繰り返します。
2. 本研究に対する参加意向を示した施設(100施設を想定)は、倫理審査を行います。
3. 2014年のDPC情報から各施設の対象患者を抽出するために必要な情報を国立循環器病研究センターから各施設へ送付します。 また、患者のDPC情報以外の診療情報は、各施設より直接セキュリティ保護されたオンライン上のデータシート(EDCシステム)へ登録します。各施設の抽出されたDPCデータは、データ登録事務局に郵送し、 EDCシステムへ登録します。登録する情報は下記項目となります。
収集するデータ
JROADにある施設名、施設地域、施設コード、施設の病床数、急性心筋梗塞患者数、急性心筋梗塞入院中死亡数、循環器専門医師数、DPC対象施設の有無といった施設情報
JROAD-DPCにあるデータ識別番号、入院年月日、生年月日、性別、救急車による搬送の有無、退院年月日、退院時転帰、身長、体重、喫煙指数、入院契機傷病名コード、入院時併存症名傷病名コード、急性心筋梗塞における入院時の重症度(Killip分類)、収縮期血圧、心拍数、心調律、在院日数、医療費、退院時薬、補助循環、人工透析、人工呼吸器、経皮的冠動脈インターベーション、バーサルインデックス、連続呼気ガス分析といった DPC情報
JROAD、JROAD-DPCにある情報以外に、心筋梗塞による入院歴の有無、機械的合併症の有無 (心室中隔穿孔、僧帽弁乳頭筋断裂、左室自由壁破裂)、心筋梗塞の種類、重症度、治療歴、心臓リハビリテーションの施行の有無、心肺運動負荷試験結果、血液検査、心エコー検査結果、退院後の心臓リハビリテーション継続の有無、継続期間、総回数、退院6か月後や追跡最終日までに実施した、身体所見、血液検査結果、心エコー検査結果、心肺運動負荷試験結果、2019年12月31日までの予後、死亡の場合の死亡日、生存の場合の最終確認日、死因、追跡期間中の全ての心血管イベントといった診療情報を登録します。また、施設での外来心臓リハビリテーションの有無、2014年時点の外来心臓リハビリテーションの体制、1週間の延べ外来心臓リハビリテーション患者数といった施設情報も登録します。
4. 最終データを事務局(福岡大学 ・琉球大学)で集約し、下記方法で解析します。 入院時の心臓リハビリテーションの量や質による急性心筋梗塞患者の複合心血管イベントと医療費との関連性を評価します。その他、施設基準と医療費の関連性、急性期早期の心リハ実施の有無と予後および医療費の関連性、心筋梗塞後のリスク評価と予後や医療費の関連性、心リハの質・量などの実施状況とリスク管理到達目標達成率、運動耐容能と予後や医療費の関連性についても評価します。サブグループ比較も行い同様の解析を行います。生存分析や予後予測モデルの作成と妥当性の検証を行います。
診療録、検査データ、画像データ
収集した試料・情報は、匿名化(どのデータが誰のものか分からなくすること)した上で本研究に利用します。国が定めた倫理指針に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。
この研究へのご協力は、患者さんご自身の自由意思に基づくものです。この研究に参加を希望されない方(患者さん自身がすでに亡くなられている場合にはそのご家族)は各参加施設の問い合わせ先へご連絡ください。患者さんの試料・情報を本研究に利用しません。ただし、ご連絡を頂いた時点で、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、試料・情報を削除できないことがあります。不明な点やご心配なことがございましたら、ご遠慮なく各参加施設の問い合わせ先までご連絡ください。この研究への試料・情報の利用を断っても、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。また、患者さんのご希望により、この研究に参加してくださった方々の個人情報および知的財産の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。希望される方は下記の問い合わせ先までお申し出ください。
患者さんまたはその代理人のご希望により、患者さんが識別される試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止することができます。試料・情報の利用または提供の停止を希望される方は各参加施設の問い合わせ先までお申し出ください。
研究責任者 | 琉球大学大学院医学研究科循環器・腎臓・神経内科学 大屋祐輔 福岡大学医学部 心臓・血管内科学 三浦伸一郎 (個人情報とリンクする対応表は、各病院および施設での管理となります) |
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参加施設 | 全国のJROAD-DPC参加施設のうち、国立循環器病センターにて抽出され、施設での倫理委員会で承認済みの病院および施設(実施病院・施設は別紙参照) |
その他の共同研究施設 (情報の解析) |
埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科 (研究責任者 牧田茂(日本心臓リハビリテーション学会理事長)) 日本赤十字豊田看護大学 専門基礎(研究責任者 福間長知) 東京大学 大学院医学系研究科医療経済政策学講座(研究責任者 田倉智之) 徳島大学大学院医歯薬研究部循環器内科(研究責任者 佐田政隆) 千川通りあさのクリニック(研究責任者 島田和典) 京都府立医科大学(研究責任者 白石裕一) |
業務委託先 (EDC構築) |
クリンクラウド株式会社 |
JROAD-CR研究事務局
福岡大学病院循環器内科 末松保憲
〒814-0180
福岡県福岡市城南区七隈7-45-1
福岡大学医学部心臓・血管内科学
TEL092-801-1011
FAX092-865-2692
琉球大学病院リハビリテーション部 嶺井陽
〒903-0215
沖縄県中頭郡西原町字上原207番地
琉球大学大学院医学研究科循環器・腎臓・神経内科学講座
TEL098-895-1150
FAX098-895-1416
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